築20 年30 年の賃貸物件としての「持ち味」で競争力を維持していく アイディアとは
今回は築20 年30 年の賃物件としての「持ち味」で競争力を維持していく、
ローコストのアイディアについて考えてみます。
<家電製品が増えた理由とは>
この10 数年で賃貸住宅が大きく変わりました。
昔は入居者さんが求める設備といえばエアコンくらいでしたが、
いまは、インターネット設備、防犯設備、
生活を便利にする浴室乾燥機や宅配ボックスなど、
一般住宅と比べても大きな差はなくなりました。
「賃貸だから不便でも不用心でもよい」という時代ではなくなったのです。
間取りに対するニーズも変化しました。
昔はファミリー世帯向けに「部屋数の多い間取り」が多く造られましたが、
いまは「部屋数より広さ」が求められますので、
同じ専有面積なら3DK より2LDK や1LDK に人気があります。
このように借主というお客様の望みが移り変わるのは仕方がありませんし、
これはどんな商売でも同じことです。
ただ、賃貸経営の商品である建物は、
一度建てたら20 年30 年40 年と利用しなければなりませんので、
その都度、その時のお客様に合わせて設備や間取りを変えているのでは採算に合いません。
もし変えたとしても新築と比べたら勝負になりません。
築20 年30 年の物件としての「持ち味」で競争力を維持していくアイディアが必要です。
<コンセントが少ない現状>
今回紹介するのは「コンセントを増やす」というローコストで実現できるアイディアです。
20年以上前に建てられた賃貸住宅は圧倒的にコンセントが少ないのです。
なぜ、現在の入居者さんがコンセントを求めるのでしょうか?
その理由は便利な家電が増えたことにあります。
たとえば掃除機の主流はもはや「ハンディクリーナー」ですが、
掃除の時にコードは邪魔なので必ず充電式になっています。
もうひとつ人気のロボット掃除機も、一働きしたら自ら充電器に戻っていきます。
どちらも「常にコンセントを占領」していることになります。
ウォーターサーバーを設置するご家庭が賃貸住宅にも増えています。
大自然の天然水で衛生管理されており、
適度にミネラルが含まれて美味しく安全性が高いというのが理由のようです。
しかもペットボトルより安く災害時の水不足という事態に対しても安心できます。
このウォーターサーバーも「常にコンセントを占領」する家電です。
トイレにも温水洗浄便座用のコンセントが必須ですがさらに脱臭期や暖房機を置きたい、
というニーズを考えると二口のコンセントが欲しいのです。
キッチンで活用する家電はさらにバラエティが増えました。
書いたらキリがないくらいの便利な家電が出回っていますが、
使う度に狭いところに手を差し込んでプラグを抜いたり差したり
する作業に不満を感じている入居者さんは多いでしょう。
現在の賃貸住宅は、圧倒的にコンセントが不足しているのです。
数が足りないコンセントに対して入居者さんの多くは「タコ足配線」で対応しています。
1つのコンセントの定格容量は決っていますのでタコ足配線は容量を超えることで発熱し、
周りのホコリに発火する危険があります。
コンセントを増やして正しい使い方を促すことは防火対策にもなる訳です。
<まとめ>
では具体的に「どうするか?」を考えます。
コンセント増設工事し場合は便利になった分、長く暮らしていただけるかもしれません。
設備を新しくしたり間取りを変更する大工事も必要なケースはありますが、
所詮は新築に太刀打ちはできません。
今後はコンセント増設などのローコストアイディアが必要になります。