繁忙期後の空室、状況を見極め次の一手を!
繁忙期、空室対策に力を入れたものの、物件によっては空室が残ってしまうこともあります。しかし、ここで焦りは禁物です。大切なのは、現状を冷静に分析し、次の戦略を練ることです。繁忙期後の市場は、顧客のニーズも変化します。これまでの対策が通用しない可能性もありますので、状況に合わせた繁忙期後の空室対策に焦点を当て、具体的な対策方法を解説します。
1.空室状況の原因を見極めよう
1-1. 内見数と成約率の確認で原因を探る
まずは、空室となったお部屋の実際にどれだけの方が内見したのか件数を把握しましょう。内見数が少ない場合、募集条件や広告に課題があると考えられます。一方、内見数が多かったにもかかわらず制約に至らなかった場合は、物件自体や内見時の印象に原因がある可能性があると思われます。
1-2.周辺の類似物件との比較検討
また周辺の競合物件の空室状況や募集条件を調査し、所有物件の強み・弱みを客観的に把握し、募集賃料の設定、設備、築年数などをさまざまな角度から比較検討することで、改善点が見えてくることがあります。
1-3. 顧客ニーズの変化を見極めよう
繁忙期と閑散期では、顧客のニーズが異なる場合があります。繁忙期は多くのお客様が期間限定で訪れますので、ターゲットを広めにしていたと思われます。一方で、繁忙期後は「気に入った部屋をじっくり探す」お客様が訪れるので、万人向けよりも個性に合った部屋の方が目に留まりやすいのです。そこで、さらにターゲットを絞った賃貸条件と広告の戦略をを検討しましょう。
2.ターゲット戦略の見直し
2-1.ターゲット層の絞り込み
繁忙期の募集時に広げていたターゲット層を、閑散期に絞り込むことも有効な手段となります。単身者、ファミリー、高齢者など、特定の層に合わせ、その物件の魅力を打ち出すことで、成約率を高める可能性が増えます。
2-2.顧客のニーズに合わせた設備やサービスを検討
ターゲット層のニーズに合わせて、必要な設備やサービスの見直しをしましょう。例えば、単身者向けにはインターネット無料、女性向けにはセキュリティ対策、またファミリー向けには追い炊き機能などです。また、人気の希望設備としては宅配ボックス、高速インターネット、システムキッチンなどを見直し検討するのも選択肢の一つです。
2-3.競合物件との差別化
競合物件と差別化を図るためにも、独自のサービスや特典を検討しましょう。例えば、「●月末までに決める」という目標を立てるなら、「●月中の契約者様に限り‥‥」として特典を用意するという対策です。
3.募集条件の見直しを検討しよう
3-1家賃設定の再検討を
周辺の競合物件の家賃相場を参考に賃料査定を行い、適切な家賃設定を行いましょう。必要であれば、フリーレントや初期費用割引などのキャンペーンも検討も有効な手段です。
3-2.広告戦略の見直し
インターネット広告、不動産ポータルサイト、SNSなど、様々な媒体を活用して物件情報を発信しましょう。ターゲット層に合わせた媒体選びと、魅力的な物件写真や紹介文が重要です
3-3.管理会社との連携の強化
不動産管理会社との連携を強化し、一緒に満室経営を目指しましょう
4.物件の魅力を向上させよう
4-1.清掃とメンテナンスの徹底
内見者が気持ちよくお部屋を内見できるよう、清掃、メンテナンスを徹底しましょう。特に水回りや玄関などの清潔感は重要です。また内見はお部屋だけではなく、物件に入る時点から始まっています。エントランス、共用廊下やゴミ置き場等の清掃も大切なポイントです。
4-2.インテリアで演出を
空室に家具や小物を配置し、生活空間をイメージしやすくことも効果的です。観葉植物や照明などを活用して、温かみのある空間を演出しましょう。
4-3.入居者特典を付けることで
入居者特典を用意することで、入居希望者の背中を押す可能性が広がります。例えば、照明器具のプレゼント等。
築年数とニーズに合わせた改修の検討も
5-1. 築年数とニーズに合わせた改修
築年数や顧客ニーズに合わせて、リノベーションやリフォームを検討しましょう。現在のニーズに合わせた間取りに変更、水回りの交換、内装のリフレッシュなど、さまざまな選択肢があります。
5-2.最新の設備やサービスの導入
最新の設備やサービスの導入することで、物件の価値を高めることができます。例えば、スマートロック、宅配BOX、高速インターネット無料などが人気です。
5-3.デザイン性の向上
内装や外観のデザイン性を高めることで、競合物件との差別化を図りましょう。デザイナーズ物件やコンセプト物件など、独自の魅力を打ち出すことも有効です。
まとめ
空室対策は繁忙期後も継続的に取り組むことが重要であり、顧客ニーズを把握し戦略を柔軟に見直すことで安定した賃貸経営が可能です。また、物件の魅力を引き出し、ターゲット層に合った適切な対策を講じることが基本となります。さらに、不動産管理会社などの専門家に相談し、客観的なアドバイスを得ることで新たな解決策が見つかる可能性もあります。